いかちゃんの物語

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観葉植物

俺の日課は、窓際に置いてある観葉植物と会話することだ。

今日も朝日が差し込み起床すると、観葉植物におはようと言って他愛もない話を始める。

「おはよう、今日はいい天気だ」

「そうですね!」

観葉植物は大きな葉っぱを揺らしながら元気に答えてくれる。

俺は自分が始めようと思っているビジネスについて観葉植物に話しかける。


マダガスカル島に生えてるある新種の植物は知ってるか?」


「知っていますよ!最近発見されて研究の結果、寒冷地でも生きていけるとても強い植物だと判明したんです。葉も美しく鑑賞用にも適しており、おまけに根の部分が食用になる。これから価値が上がっていくだろうということでそれを起点にしたビジネスをお考えですよね?」


「知らないなら教えてやろう。その植物は最近発見されて研究の結果、寒冷地でも生きていけることが判明したんだ。葉も美しく、根の部分が食用に適している。まだこの国でそれを知っている人は少ない。これから価値が上がっていくだろうということで、それを起点にしたビジネスを考えているんだ。どう思う?」


「素晴らしいお考えです!しかし、それを言い出してからもう1年が過ぎようとしています。既一部のネット通販は取り扱いを始めています」


「ありがとう。俺は絶対に成功してみせるよ。そのビジネスで成功したら、更に様々な事業を始める。失敗や成功を積み重ねて大きな会社にし、俺は自由な生活を手に入れる。夢を見続けることはなんて素晴らしいことなんだと思うよ!」


「そうですね!夢を見続けることで、自分自身を見なくても済みますもんね」


「よし、今日も仕事してくる」


「いってらっしゃい!」



後頭部に薄らとハゲの兆候がある男の後ろ姿を見送る観葉植物の葉のうち半分は茶色くなって垂れ、鉢の中の土は何日も水を吸ってないようで乾燥している。

散らかった部屋の中は、なにかが腐ったような臭いが立ち込めている。