いかちゃんの物語

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言葉と魔法

僕がまだ幼かったころ、家で2人きりのとき、父さんが僕の頭を撫でながら言った。

「いいかい。言葉というの魔法なんだ。魔法は人を不幸にもできるし、幸せにもできるんだ。だから、言葉を使うときはよく考えなければいけないよ」


「うん、わかった!」

僕は元気にうなずいた。でもそのときは、その本当の意味をよくわかっていなかったんだ。 


その日から僕は魔法使いになって、沢山の魔法を学んだ。

人を幸せにできる魔法や、不幸にする闇の魔法、使い分ければ、いろんな人を意のままに操れる。


それに気づいた僕は、気づくと魔法を使うことができなくなっていた。


代わりに、悪霊を召喚する魔法陣の書き方だとか、死んだ人を蘇らせる魔術だとかそういったものに惹かれていった。

きっと魔法を使うことから逃げたかっただけなるんだろうけどさ。


そうしているうちに、僕の心に悪魔が入り込んでくるようになった。

悪魔は僕に囁くんだ。

「自分のためにもう一度魔法を使え」って、でもね、僕はそんな簡単に悪魔には負けなかった。


クールな心を持っていれば、悪魔の囁き何からクソ食らえだった。

自分はそんなことに絶対しないって。

父さんはあのとき僕に、自分を信じる魔法をかけていたんだ。


そうやってずっと悪魔の言葉を無視し続けていたつもりだったんだけど、ある日とあるきっかけで、僕は一瞬にして悪魔に身を委ねてしまった。

人を殺すために魔法を使うなんてこれまでの自分には考えられなかったけど、僕の中で一番強力な魔法を使ってしまったんだ。


焼け野原になった僕の周りには何も残っていなかった。


心の中の悪魔さえも焼き尽くしてしまってたみたいでさ。


今度は人を幸せにする魔法使いになろうって、その次の日はひよこを召喚する魔法を覚えたんだよ。