バケツ

言葉を吐きます

2017-01-01から1年間の記事一覧

僕に残されたもの

僕に残されたもの 僕はお風呂上がりにパンツ一枚だけでベランダに出てタバコを吸うのが好きだ何か少しいけないことをしているような、この世界から隔離された空間に冒険に行くような、不思議な気持ちになる。 今は夏なので、蚊取り線香を足元に置くようにし…

おれはおれになりたい

おれは実体のない幽霊みたいだこの世に存在しているはずなのに存在していないみたいだ昔の友人のように怒って携帯電話を地面に叩きつけることすらできないおれは弱い濡れた体にクーラーの風がつめたいそんな自分を冷静に見ている自分が暖かいことがつらい結…

ミートソーススパゲティ

ミートソーススパゲティ 僕はミートソーススパゲティに聞いた「君はナポリタンスパゲティかい?」ミートソーススパゲティは答えた「僕はミートソーススパゲティですよ」 僕はミートソーススパゲティにもう一度聞いた「君は本当はカルボナーラスパゲティなん…

絵の中の女

絵の中の女 ある一枚の絵があったその絵は見るものを惹きつけるようなとても美しい女性が俯き加減で葉巻を吸っているという絵で、その絵には逸話があった絵が愛されたと感じると、絵の中の女が笑うというものだその絵は描かれて5年間の間地元の町のカフェに…

うさぎの自殺

うさぎの自殺 ある山に二匹のうさぎがいました。彼らは兄弟で、兄うさぎは自信家、弟うさぎは逆の性格でした。 ある日二匹で山の中を散歩している時、兄うさぎは言いました「は〜、なんか今の生活がずっと続くのかなとか思うとさ、嫌になるわ」弟も返事をし…

残滓 1

ある匂いがある。その匂いはとても懐かしい匂いで、嗅ぐと、心の奥にある栓がポンと音を立てて外れたかのように懐かしい気持ちがフラッシュバックして胸のあたりが暑くなり、その暖かさに涙が出そうになったり締め付けられるようになったりするそして時間と…