くじらの歌 僕はくじらの歌を聴くのが好きでした。 くじらの歌は、村の西側に面した海に竹などを切って中をくりぬいた筒をつくり、それの先を海面に浸してもう片側を耳を当てることで聴くことができました。 くじらの歌はある日はゴオオオといううなり声のよ…
椅子に座った少女は横に浮遊しているサッカーボールほどの銀色の球体に向けて呟いた。 「ねえ、ハル、喉が渇いたわ」 「かしこまりました。リサさま」 浮遊している球体は抑揚の無い音声を発し、音を立てずにキッチンの方へ向かった。 しばらく水の流れる音…
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